
STIは、男と女が出会うことで生じる病気。(※)とても人間性豊かな病気と言うこともできます。ただ、そのままにしておくと、自分の愛している人にも迷惑をかけてしまう可能性がありますから、しっかり治療をしなくてはいけません。
STIは自覚症状がないことが多く、なかなか受診や治療に繋がりにくいのですが、すぐに専門医にかかれば治療を進めることができます。
一方で症状がないからといって放っておくと症状が重くなって男性は精巣の炎症を起こしたり、女性は卵管の炎症や腹膜炎を起こすこともあります。また、不妊の原因になる場合もありますから、できるだけ早く医師の診察を受けることが大切です。
-
STIではどんな治療をするんですか?手術はしますか?
治療は薬を飲んだり、注射をしたりという投薬治療のほか、イボなどは電気メスやレーザーで切ったり、液体窒素で凍らせるなどの外科的な治療をすることもあります。外科的な治療の場合でも入院などの必要はなく、ごく簡単な処置です。
-
それなら安心ですね。STIは自然に治ることはないんですか?

場合によっては自然治癒する例もゼロとはいえません。
たとえば尖圭コンジローマは主に性器の周りに痛みを伴わないイボができる病気ですが、20%くらいは自然に治癒します。もしそんな経験があったとしても、「以前、そんなイボが出来たけど、自然に治ったし、大丈夫だろう」などと自己判断をしないでください。
多くの場合は症状が進みますからイボが増えたり、気付かないうちにパートナーに移してしまう可能性があります。また、痛みはなくても見かけは悪く、いつ治るかわからないという不安がずっとつきまといます。
-
確かに、早く不安は解消したいと思います。でも、ちょっとしたことで行くと、お医者さんに「なんだ、このくらいで来たのか」とか思われないか心配です。
そんなことはありません。どんな症状でも「変だな」と思ったらすぐに専門医にかかることが、治療の期間を短くすることもあり、早く普段通りの生活に戻ることでもあります。
また、せっかく治療をしても、パートナーが性感染症にかかっていれば再感染することもあります。だから、二人で一緒に検査や治療をすることが大切なのです。
-
一度治療をすれば大丈夫ですか。
ひょっとして再発することがありますか。

性器ヘルペスは一度感染すると、性交渉をしなくてもストレスやホルモンバランスの崩れなどで再発することがあります。もし発症しても治療方法は確立しているので大丈夫です。
HPV感染症は多くの人は治るのですが、細胞の中にウイルスが居座ってしまうことがあるのです。でも定期的に検診を受けることなどで、重症化を防ぐことができますから、あまり不安にならないでください。
また、HIV感染症についても以前はエイズ(免疫不全症候群)で亡くなる方が多かったのですが、今はほとんどいなくなりました。だからといって安心というわけではありません。
場合によっては悪性腫瘍などで亡くなる人もいるのです。かからないようにする予防策も必要ですし、万が一かかってしまった場合はきちんと治療をしなくてはいけません。
※男と女だけでなく、同性間でも性感染症に感染する例もあります。