
STIの検査キットというのは、自宅で血液や尿、腟の粘膜などを採取して検査機関に送り、検査をしてもらうものです。
自分で採取して送るだけでいいので匿名性が高く、医師の診察を受ける恥ずかしさなどもありません。また、一般的に検査の精度も高いと言われています。
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とても手軽なんですね。
検査キットがあるなら、病院に行かなくても大丈夫ですか。

ただ、こういう検査キットでは、すべてのSTIについて感染しているかどうかがわかるわけではないのです。
例えば、性器クラミジア感染症、淋病(淋菌感染症)、梅毒、性器カンジダ症、腟トリコモナス症、HIV感染症などは検査キットでも検査できますが、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫(水イボ)、ケジラミ症などは検査できません。
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自分のかかっている病気が何かわからないこともあるということですね。
それではせっかく検査をしても不安が残りますね。
そうですね。それに検査キットは、なんの検査を行うかによって種類が分かれているため、どのSTIの検査を行うかを自分で決めなくてはいけません。
多くの人は自分が気になっているSTIについての検査をしようと思うでしょう。ところが症状が出ない、あるいは出にくいSTIもあるため、検査項目を絞ると見逃してしまう病気があるかもしれないのです。複数のSTIを検査できるキットもありますが、検査項目が多いほど高価になります。
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でも、お医者さんとはいえ、いろいろ話すのは恥ずかしいです。

わかります。初めて会う人に自分の性体験を話したり、ましてや性器を診察してもらうのは、恥ずかしいと感じますよね。でも心の安心を早く取り戻すためには、医師に診断してもらうほうがよいと思います。
「STIかもしれない…」と不安に思っている人が一番気になるのは、今の自分がどんな病気なのか、どんな状況にあるのかということでしょう。
こうした不安は医師に診察してもらえば、その場で、あるいは検査結果を聞きに行った日に、すぐに解決することができます。
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そうですね。お医者さんにとっては特別なことではないんですね。
たくさんの患者さんを診ているんですもんね。

そうとも言えますね。でも医師はきちんと一人ひとりの状況を聞き、視診をしたり必要に応じた適切な検査を行って、どの病気に感染しているかを診断します。感染していることがわかった場合は、この診断に基づいて治療を行いますから、どんなふうに治療をしていくのか、どのくらいで治るのかなども明らかになります。
少しでも早く不安を取り払い、より適切な治療を行うために、ぜひ病院に行って、医師の診断を受けてください。